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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻10号

2005年09月発行

文献概要

症例報告

血中5-S-CD値の上昇がアガリクス摂取によると考えられた悪性黒色腫の1例

著者: 吉野公二1 青木見佳子1 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1013 - P.1015

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要約

 43歳,女性.悪性黒色腫を左背部に生じ,突然,血清5-S-cysteinyldopa(5-S-CD)値が異常高値を示した.その原因として内服していたアガリクスが考えられた.内服中止とともに5-S-CD値は低下し,全身検索でも転移,再発を認めなかった.アガリクスの成分には5-S-CD値の前駆体(チロシン,チロシナーゼ)が含まれており,5-S-CD値の代謝経路とアガリクスの成分との間に関連があるのではないかと考えた.臨床現場で突然5-S-CD値の上昇を認めた場合は,季節(夏季),腎機能障害,化学療法後,L-dopa内服のみならず,アガリクスの内服の有無を確認することが必要であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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