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症例報告
FDG-PETで転移が確認された悪性黒色腫の1例
著者: 片田桐子1 青山久美1 長谷川道子1 田村敦志1 石川治1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学教室
ページ範囲:P.1016 - P.1019
文献購入ページに移動58歳,女性.小児期より左下眼瞼に褐色調の皮疹があり,29歳頃より隆起してきたが放置していた.1999年3月頃,皮疹が褐色から黒色調に変化し急激に増大した.近医で悪性黒色腫を疑われ,当科を紹介された.左下眼瞼中央やや内側の遊離縁に,黒褐色,半球状に隆起する5×4mmの小結節があり,局麻下に全切除した.左下眼瞼原発の結節型悪性黒色腫stageⅡと診断し,術後にDAVFeron療法を6クール行った.4年後,Gaシンチで異常はなかったが,FDG-PETで肺・肝転移を確認した.FDG-PETは糖代謝の亢進した悪性腫瘍などに強く集積するため,Gaシンチで発見されない小さな病変を早期に診断でき,術前評価および術後経過観察に有用である.
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