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症例報告
同種末梢血幹細胞移植後3日目に生じた超急性GVHDの1例
著者: 石田雅美1 檜垣祐子1 川島眞1 石山みどり2 増田道彦2 溝口秀昭2
所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学血液内科学教室
ページ範囲:P.1055 - P.1058
文献購入ページに移動21歳,男性.慢性骨髄性白血病に対してHLA1座不一致の同種末梢血幹細胞移植を施行後3日目に,39℃台の発熱と両下腿に毛孔一致性丘疹,さらに5日目に両手背に淡紅斑が出現した.丘疹および紅斑の病理組織像では表皮基底細胞の空胞化,表皮細胞の個別壊死とその周囲のリンパ球侵入を認めた.下痢,総ビリルビン値の上昇を認め,超急性GVHDと診断した.メチルプレドニゾロン120mg/日を投与し,皮疹はいったん軽快したが,急性から慢性GVHDへと移行し,移植後173日目に多臓器不全のため死亡した.
超急性GVHDと類似の病態として生着症候群が知られているが,その皮疹についての詳細な報告は少なく,その鑑別は困難であるが,若干の文献的考察を加えて報告した.
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