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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻11号

2005年10月発行

症例報告

血清中抗Dsg3抗体価測定が治療上有用であった増殖性天疱瘡の2例

著者: 齋藤まるみ1 東條理子1 岸本和弘1 西部明子1 尾山徳孝1 中村晃一郎1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.1080 - P.1083

文献概要

要約

 症例1:42歳,女性.口内炎と外陰部のびらんを生じた.病理組織で表皮肥厚,棘融解および基底膜直上の裂隙形成,蛍光抗体直接法で表皮細胞間のIgG とC3沈着を認めた.血清中抗Dsg3抗体は陽性で,増殖性天疱瘡と診断し,プレドニゾロンの投与により皮疹は軽快した.症例2:58歳,男性.口内炎および体幹にびらんと水疱を生じ,近医で尋常性天疱瘡として加療されたが,皮疹の再燃を繰り返していた.病理組織で粘膜上皮の肥厚と表皮内水疱,蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgGとC3の沈着を認めた.血清中抗Dsg1抗体および抗Dsg3抗体が陽性であった.増殖性天疱瘡と診断し,プレドニゾロン,シクロスポリン投与により再燃なく加療し得た.自験例において血清中抗Dsg3抗体価を測定したところ,臨床経過との相関がみられ治療上有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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