文献詳細
症例報告
文献概要
要約
30歳,女性.初診の約3週間前から,臍部に月経時に一致して疼痛を認める径15mm大の腫瘤を自覚した.妊娠・人工妊娠中絶・腹部手術の既往はなかった.病理組織学的に,真皮中~下層にかけて大小不同の腺腔構造が認められた.腺腔構造はほぼ1層の高円柱上皮細胞からなり,腺腔内には無構造の分泌物質がみられた.腺腔構造の周囲には紡錘形の間質細胞に混じてリンパ球や赤血球もみられた.以上より,子宮内膜症と診断した.今回われわれは,1960~2003年までの臍部子宮内膜症の本邦報告例102例を集計し,文献的考察を行った.臍部腫瘤において子宮内膜症は決して稀な疾患ではなく,臍部腫瘤では本症を念頭に置く必要がある.
30歳,女性.初診の約3週間前から,臍部に月経時に一致して疼痛を認める径15mm大の腫瘤を自覚した.妊娠・人工妊娠中絶・腹部手術の既往はなかった.病理組織学的に,真皮中~下層にかけて大小不同の腺腔構造が認められた.腺腔構造はほぼ1層の高円柱上皮細胞からなり,腺腔内には無構造の分泌物質がみられた.腺腔構造の周囲には紡錘形の間質細胞に混じてリンパ球や赤血球もみられた.以上より,子宮内膜症と診断した.今回われわれは,1960~2003年までの臍部子宮内膜症の本邦報告例102例を集計し,文献的考察を行った.臍部腫瘤において子宮内膜症は決して稀な疾患ではなく,臍部腫瘤では本症を念頭に置く必要がある.
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