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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻11号

2005年10月発行

症例報告

広範囲に生じた炎症性線状疣状表皮母斑の1例

著者: 横倉英人1 大山正彦1 梅本尚可2 出光俊郎2 加倉井真樹1 山田朋子1 村田哲1 大槻マミ太郎1 中川秀己1

所属機関: 1自治医科大学医学部皮膚科学講座 2自治医科大学附属大宮医療センター皮膚科

ページ範囲:P.1110 - P.1112

文献概要

要約

 3歳2か月,女児.出生直後より体幹右側に紅色皮疹があり,次第に顔面,四肢に拡大した.激しいそう痒を伴う.家族に同症はない.来院時,顔面,体幹,四肢,特に右胸,腹部,背部右側から右上肢,左下腹部から左大腿,下腿を主体に,列序性のBlaschko線に一致した角化性紅斑を認め,蚤破痕を混じる.病理組織学的に,一部不全角化を伴う著明な角質増殖と表皮肥厚が認められたが,顆粒変性はない.真皮には血管周囲性に小円形細胞浸潤がみられた.精神・運動発達遅延はない.皮疹はビタミンD3(マキサカルシトール)外用薬により,角化の程度に改善傾向がみられ,そう痒もやや軽減した.本症は一般に女児の下肢に好発するが,自験例のように顔面,体幹,四肢の広範囲に皮疹の分布することはきわめて稀と考えられた.診断と治療について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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