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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻11号

2005年10月発行

症例報告

脂腺母斑に基底細胞癌と有棘細胞癌が続発した1例

著者: 根本いずみ1 森啓之1 鈴木拓1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1113 - P.1116

文献概要

要約

 47歳,男性.生下時より左前額部に自覚症状のない脱毛斑が存在し,約5年前より同部に紅色丘疹が出現し,近医の冷凍凝固療法にて脱落したが再発し徐々に増大し,近傍に黒褐色丘疹が出現した.30×25mmの淡紅~淡黄色の不整形の斑に7×7mmの紅色結節と3×2mmの黒色丘疹を伴っていた.紅色結節は扁平に隆起し,半米粒大までの凹凸を有し一部は黄色調で,黒色丘疹の表面は軽度角化性で蝋様光沢を有する.組織学的に,淡紅色斑部では,表皮は肥厚し毛囊原基構造を有し,真皮には孤立散在性に分布する少数の脂腺とアポクリン汗腺を認めた.紅色結節では,異型な有棘細胞様細胞からなる類円形の腫瘍胞巣がみられ,好酸性の角質塊ないし壊死組織を伴っていた.黒色丘疹では一部表皮と連続して真皮上中層に基底細胞様細胞からなる不整形の胞巣が散在し,辺縁は柵状配列を呈していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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