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症例報告
多発遠隔転移を認めたBednar腫瘍の1例
著者: 末原郁子1 光石幸市1 小川秀興1 矢澤康男2 月出康平2 末原義之2
所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室 2栃木県立がんセンター骨軟部腫瘍科
ページ範囲:P.1120 - P.1123
文献購入ページに移動51歳,男性.1994年近医にて左肩皮下腫瘤の切除を受け,病理診断にて隆起性皮膚線維肉腫と診断されていた.1998年3月に局所再発を認めたため当院を受診し,近医で切除した原発腫瘍の病理標本を当院にて検鏡したところ,病理像の再検討でBednar腫瘍と診断した.再発腫瘍の切除術を行い,その後,症状なく経過していたが,2002年2月に局所再発と肺転移を認めた.また,同年8月に後腹膜腔転移,12月にはS状結腸管内転移を認めた.局所再発腫瘍と転移性腫瘍に対して腫瘍切除術を行った.切除標本の病理像は線維肉腫様像を示した.その後1年の経過で腹腔内多発転移を認め,切除不能で,初回切除より10年の経過で死亡した.
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