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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻11号

2005年10月発行

文献概要

症例報告

紫斑を主徴とし著明な癌性塞栓像がみられた転移性乳癌の1例

著者: 玉城裕妃子1 荒木絵里1 高瀬早和子1 堀口裕治1 鍛利幸2 新宅雅幸3

所属機関: 1大阪赤十字病院皮膚科 2大阪赤十字病院外科 3大阪赤十字病院病理

ページ範囲:P.1124 - P.1126

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要約

 66歳,女性.2003年6月,右乳房の発赤と腫脹を認め,当院外科で乳癌と診断された.骨転移のため手術は施行せず,化学療法を開始した.2004年3月,右乳房に不整形の環状の紫斑を認め,当科を受診した.初診時,打撲による外傷性紫斑を疑い2週間の経過観察を行ったところ,徐々に拡大し疼痛を認めたため皮膚生検を行った.真皮内の微小血管に腫瘍塞栓を認め,腫瘍の血管内塞栓に赤血球が捕捉されていたが,組織内への出血はなかった.患者は,PETで異常所見を認めなかったため,右乳房全摘出手術を施行した.本例では全身の微小血管に播種されている可能性が高く,予後不良と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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