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今月の症例
Crouzon症候群に合併した黒色表皮腫の1例
著者: 幸田紀子1 佐々木一1 萩原正則1 松尾光馬1 本田まりこ1 中川秀己2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属青戸病院皮膚科 2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
ページ範囲:P.1150 - P.1153
文献購入ページに移動23歳,女性.頸部,腋窩,肘窩,股部などの間擦部の黒褐色角化局面と全身のびまん性色素沈着を主訴に受診した.1歳時,水頭症手術の既往がある.眼間開離,外眼角斜下,鉤鼻,平坦な上顎,下顎の突出などの特異顔貌をもち,肥満を認めた.四肢の形成異常,精神発達遅延はない.生検で基底層の著明なメラニン増加と脂漏性角化症様組織像を認めた.9歳時に同様の皮膚症状で受診していたが,色素沈着は比較的軽度で,組織像も軽度の表皮乳頭腫状肥厚と基底層メラニン増加を認めただけであった.Crouzon症候群は,頭蓋骨早期癒合と頭蓋顔面骨の異形成により特徴的な顔貌を呈する症候群で,黒色表皮腫を合併することが知られている.
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