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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻12号

2005年11月発行

文献概要

症例報告

皮疹に対して柴苓湯が有用であったサルコイドーシスの1例

著者: 芦川大介1 白井滋子1 町田秀樹1 松井隆2 森脇真一3

所属機関: 1富士宮市立病院皮膚科 2富士宮市立病院内科 3浜松医科大学光量子医学研究センター

ページ範囲:P.1189 - P.1191

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要約

 36歳,女性.初診の約6年前,左頬部に紅色皮疹が出現し,近医で切除された.3年前より同様の皮疹が両頬,上下肢,背部,臀部にもみられるようになり受診した.臨床所見,皮疹の病理組織像,検査結果より,皮膚病変を伴うサルコイドーシスと診断した.当初ステロイド外用に抵抗性であった皮疹は,柴苓湯(9g/日)投与により,速やかに改善した.サルコイドーシスの病態形成には,Th1リンパ球の活性化によるサイトカインのアンバランスが関与しているとみられ,柴苓湯にはTh1リンパ球の抑制作用があるとされ,本症例において,サルコイドーシスの肉芽腫に対して治療効果をもたらした可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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