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症例報告
Gastrointestinal stromal tumorに合併したparaneoplastic pemphigusの1例
著者: 舛貴志1 角田孝彦1 橋本隆2
所属機関: 1山形市立病院済生館皮膚科 2久留米大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.1267 - P.1270
文献購入ページに移動57歳,女性.難治性の口内炎から始まり,重篤な粘膜症状と多彩な皮疹が出現した.治療に抵抗性であったため内臓悪性腫瘍の検索を行い,腹腔内にgastrointestinal stromal tumor (GIST)が見つかった.患者血清を用いた蛍光抗体間接法で,正常ヒト皮膚およびラット膀胱上皮を基質とした抗表皮細胞間抗体が陽性であった.免疫ブロット法で210kDa,190kDa抗体に反応した.これらの免疫学的検査の結果と臨床所見,病理組織学的所見から,腫瘍随伴性天疱瘡(paraneoplastic pemphigus:PNP)と診断した.これまでに,GISTに合併したPNPの報告はない.腫瘍摘出とステロイド投与により皮膚症状は改善傾向にあったが,全身状態は悪化し,最終的には呼吸不全で死亡した.
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