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症例報告
Churg-Strauss症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)の1例
著者: 三浦龍司1 平井昭男1 舘野博喜2
所属機関: 1埼玉社会保険病院皮膚科 2埼玉社会保険病院内科
ページ範囲:P.1284 - P.1287
文献購入ページに移動41歳,女性.気管支喘息の治療中にコントロール不良のためプランルカスト450mgのほかプレドニゾロン(PSL)20mg内服を併用していたが,PSL内服を10mgへ減量後,呼吸困難を発症した.その約1か月後,発熱に続き,顔面に紅色調の丘疹が多発し,口腔内には卵円形の壊死性潰瘍が,四肢伸側に小豆大までの紫紅色丘疹,爪甲大以下の痂皮化した血疱,紫斑が出現した.末梢血好酸球増加があり,病理組織学的に肉芽腫形成を認めないが,周囲組織に好酸球浸潤を伴う小血管の壊死性血管炎を認め,Churg-Strauss症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)と診断した.入院のうえPSL60mgより内服開始し,呼吸状態の改善に伴い皮疹も軽快した.胸部X線上,両下肺野中心にびまん性浸潤影を認め,経気管支鏡的肺生検では,好酸球性肺炎の像を呈した.過去の報告を渉猟し,若干の考察を加えた.
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