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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻13号

2005年12月発行

文献概要

症例報告

蕁麻疹様紅斑を呈した組織球性壊死性リンパ節炎の1例

著者: 木村陽一1 青木見佳子1 菊地伊豆実1 又吉武光1 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1288 - P.1291

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要約

 26歳,女性.初診の1か月前より,39℃台の発熱,圧痛を伴う頸部リンパ節腫脹が出現した.3週間前より,顔面にびまん性の紅斑,軀幹および下肢には地図状の境界明瞭,辺縁蒼白な紅斑が出現した.頸部と鼠径部には圧痛を伴うリンパ節を触知した.皮膚生検では,真皮上層の浮腫および血管周囲性にわずかに好中球を混ずるリンパ球浸潤を認めた.前医で施行した頸部リンパ節生検で,傍皮質領域に細胞質に乏しく,大型円形の核を有する大型細胞の増殖と核崩壊産物を貪食した組織球の浸潤を認め,組織球性壊死性リンパ節炎と診断した.各種ウイルス抗体価の有意な上昇は認められなかったが,白血球減少,異型リンパ球の出現,2-5AS活性の上昇を認め,ウイルス感染の関与の可能性があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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