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症例報告
放射線単独療法が奏効したMerkel細胞癌
著者: 中村妙子1 橋本真一1 加藤保信1 古川裕利1 金子史男1
所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.1319 - P.1321
文献購入ページに移動83歳,女性.3年前から右大腿部に腫瘤が出現した.徐々に増大し,出血するようになった.当院受診時,右大腿部に大腿筋層に接する,65×60×30mm大の紅色腫瘤および鼠径リンパ節腫脹を認めた.腫瘤の生検にて,真皮内にCK20,NSE陽性の腫瘍細胞が認められ,Merkel細胞癌と診断した.高血圧,糖尿病,3枝末梢狭窄を伴う心筋梗塞の既往があり,手術は困難であったため,放射線単独療法を施行した.総線量X線40Gy,電子線20Gyにて,腫瘍は臨床的にほぼ消失し,病理組織学的に腫瘍細胞は認めなかった.リンパ節も縮小し,その後再発はみられない.合併症が多く,手術困難な高齢者のMerkel細胞癌に対して,放射線単独療法は治療の侵襲が少なく,有効であると考えた.
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