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症例報告
肝臓に播種状転移をきたし,DICを併発した血管肉腫の1例
著者: 橋本隆1 清水宏和1 渡辺大輔1 玉田康彦1 松本義也1 池田洋2
所属機関: 1愛知医科大学皮膚科学教室 2愛知医科大学病理学講座
ページ範囲:P.1322 - P.1324
文献購入ページに移動86歳,男性.2003年9月頃より左耳周囲の紅斑および暗紅色腫瘤を認めた.生検にて真皮から皮下にかけて核小体の目立つ異型性をもった紡錘形細胞が増生し,不規則な脈管腔をつくる像がみられ,血管肉腫と診断した.年齢および腫瘍の広範囲な浸潤を考慮して,paclitaxelおよび放射線療法(計50Gy照射)を併用したところ皮疹は著明に縮小化し退院したが,その1か月後DICを発症して死亡した.病理解剖にて播種状の肝転移を認めたことから,転移腫瘍による凝固系因子の消費がDIC発症の原因と考えた.
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