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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻13号

2005年12月発行

文献概要

症例報告

肝臓に播種状転移をきたし,DICを併発した血管肉腫の1例

著者: 橋本隆1 清水宏和1 渡辺大輔1 玉田康彦1 松本義也1 池田洋2

所属機関: 1愛知医科大学皮膚科学教室 2愛知医科大学病理学講座

ページ範囲:P.1322 - P.1324

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要約

 86歳,男性.2003年9月頃より左耳周囲の紅斑および暗紅色腫瘤を認めた.生検にて真皮から皮下にかけて核小体の目立つ異型性をもった紡錘形細胞が増生し,不規則な脈管腔をつくる像がみられ,血管肉腫と診断した.年齢および腫瘍の広範囲な浸潤を考慮して,paclitaxelおよび放射線療法(計50Gy照射)を併用したところ皮疹は著明に縮小化し退院したが,その1か月後DICを発症して死亡した.病理解剖にて播種状の肝転移を認めたことから,転移腫瘍による凝固系因子の消費がDIC発症の原因と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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