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症例報告
HIV感染を伴った2期梅毒の1例
著者: 芳賀貴裕1 千葉修子1 奥山隆平2 相場節也2
所属機関: 1米沢市立病院皮膚科 2東北大学大学院医学系研究科内科病態学皮膚科学分野
ページ範囲:P.1328 - P.1330
文献購入ページに移動39歳,男性.当科初診の3か月前と3週間前に,風俗店で日本人女性と性交渉をもった.初診の数日前より,39℃台の高熱とともに汎発性の皮疹が全身に出現し拡大するため,当科を受診した.全身に水疱,紅斑,丘疹が散在し潰瘍や痂皮も伴っていた.梅毒血清反応陽性であったが,通常の梅毒と比較して皮疹と全身症状が重篤であり,悪性梅毒の状態であった.精査したところHIV抗体が陽性であり,HIV感染が合併した2期梅毒と診断した.アモキシシリンの内服を行ったところ,全身症状,皮疹は速やかに軽快した.HIV感染を伴った梅毒では再燃することが多いという報告もあり,注意して経過を観察している.自験例のように,梅毒とHIV感染が重複した症例は今後増加してくるものと思われる.非定型的な梅毒を診察した際には注意を要すると考えた.
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