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今月の症例
Lymphoepithelioma-like carcinoma of the skinの1例
著者: 米井希1 石田勝英1 辻岡馨1 西端和哉2 小倉治雄3
所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科 2日本赤十字社和歌山医療センター形成外科 3小倉皮膚科
ページ範囲:P.120 - P.123
文献購入ページに移動73歳,男性.3年前から生じた右頬部の25×20mmの表面平滑で毛細血管拡張を伴う紅色腫瘤を主訴として来院した.組織学的に腫瘍組織は表皮とは連続性を有さず,表皮直下から真皮全層,一部筋層内に浸潤しており,異型性を有する腫瘍細胞からなる胞巣がリンパ球の稠密な浸潤に囲まれ,一部ではリンパ濾胞様の構造を呈していた.腫瘍細胞はCK5/6,AE1/AE3陽性で上皮由来と考えられ,Ki67陽性,CK20陰性,S-100蛋白陰性であった.In situ hybridizationではEBウイルスDNAは検出されなかった.リンパ球の多くはCD3陽性のT細胞であった.また,鼻咽頭癌および他臓器原発腫瘍の皮膚転移の可能性は否定された.腫瘍辺縁より約1cm離し,下層は一部咬筋を含めて全摘出し,全層植皮にて再建した.
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