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症例報告
Mucinous carcinoma of the skinの1例―ダーモスコピー所見をそえて
著者: 吉田理恵1 和田直子1 中捨克輝1 斎藤京1 永尾圭介1 田中勝1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.180 - P.182
文献購入ページに移動69歳,男性.右頬部に約2年前より皮疹が生じ,徐々に増大した.受診時,12×9mm大の扁平隆起性で光沢を有する淡紅色結節であった.ダーモスコピーではwhitish networkに囲まれた桑実状の淡褐色小球を認め,毛細血管の拡張を伴っていた.病理組織学的に線維性隔壁を伴う多房性構造を呈し,粘液様物質の豊富な間質内に島状の細胞塊を認めた.全身検索の結果,他臓器病変はなく,mucinous carcinoma of the skinと診断し拡大切除術を施行した.術後6か月の現在,再発,転移はない.自験例ではダーモスコピーが本疾患の特徴的な組織像を反映していた.本疾患のように臨床的に特徴といえる所見に乏しい場合に,ダーモスコピーは診断に際して有益な情報をもたらすと思われる.
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