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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻2号

2005年02月発行

文献概要

症例報告

タクロリムス軟膏外用中に多発した伝染性軟属腫の1例

著者: 伊木まり子1

所属機関: 1奈良県国民健康保険団体連合会生駒総合病院皮膚科

ページ範囲:P.193 - P.195

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要約

 28歳,女性.アトピー性皮膚炎のため顔面にタクロリムス軟膏を外用し,経過良好であった.2003年1月,顔面に稗粒腫と思われる黄白色調丘疹を認めたが,内容物を圧出するには小さすぎたため,経過をみることにした.約3か月後,200個以上に増加し来院.病理組織検査の結果,小丘疹は伝染性軟属腫であった.タクロリムス軟膏の外用を中止し,ヨクイニン(R)を処方した.約1か月後,伝染性軟属腫はすべて消失した.タクロリムス軟膏については,アトピー性皮膚炎以外の疾患における有効性が報告されている.小児用軟膏も発売された.使用機会の増加に伴い,伝染性軟属腫を併発する症例の増加が懸念されるため,警告を発しておきたいと考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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