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症例報告
下肢壊死性筋膜炎に対する治療経験―患肢を温存しえた3例
著者: 青柳哲1 秋山真志1 横田浩一1 清水宏1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
ページ範囲:P.196 - P.199
文献購入ページに移動下肢に生じた壊死性筋膜炎の3例を経験した.症例1:64歳,女性,左足背から下腿に発症.症例2:54歳,男性,右足背から下腿,大腿に発症.症例3:54歳,女性,右足背から下腿に発症.いずれも趾間びらん型の足白癬を伴っており,そこからの感染の波及がもっとも考えられた.症例2ではA群溶血性連鎖球菌が検出されたが,症例1と3では起因菌は同定できなかった.症例1は発症から8日目,症例2は3日目,症例3は2日目にデブリードマンを施行し,症例1と2はさらに1回のデブリードマンを追加した.術創の閉鎖はすべて分層植皮術を施行した.3例とも患肢機能を温存しえたが,歩行可能となるまで初診から約1か月半から3か月半の期間を要した.下肢における壊死性筋膜炎の早期診断方法,治療の実際と切断術の適応について文献的に考察した.
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