icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻2号

2005年02月発行

文献概要

臨床統計

乾癬の痒みとその治療について

著者: 梅澤慶紀1 馬渕智生1 飯塚万利子1 太田幸則1 松山孝1 小澤明1

所属機関: 1東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学

ページ範囲:P.203 - P.205

文献購入ページに移動
要約

 従来の内外の教本によれば,乾癬患者に痒みの訴えは少ないとされる.しかしながら,近年,乾癬患者においても半数以上に何らかの痒みの訴えがあることが報告されている.今回,乾癬患者65名にアンケート調査を行い,①治療前の痒みの有無,②治療後の痒みの有無,③各治療薬の止痒効果について検討した.その結果,①治療前の痒みは「あり」50名(77%),治療後の痒み「あり」28名(43%)と,治療により改善していた.③各治療薬の止痒効果は,シクロスポリン15例中13例(87%),抗アレルギー薬19例中14例(74%),ステロイド外用薬45例中37例(71%),活性型ビタミンD3外用薬37例中13例(35%)という順であった.乾癬では蚤破によるケブネル現象によって皮疹の増悪を認めるため,薬剤の特性を理解するとともに,痒みによる誘発・悪化をいかに予防するかという生活指導も重要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?