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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻3号

2005年03月発行

症例報告

甘草によるアナフィラキシーの1例

著者: 里博文1 瀬戸英伸1

所属機関: 1愛仁会高槻病院皮膚科

ページ範囲:P.242 - P.244

文献概要

要約

 31歳,男性.感冒にてニューカイテキZ (R)を内服したところ,10分後に膨疹が出現し,全身熱感,呼吸困難感を自覚した.意識混濁も認めたが,放置していた.翌日近医にてアナフィラキシーと診断された.その後も同薬剤の空き袋を洗浄中に全身の膨疹が再燃し,自然軽快した.スクラッチテストにてニューカイテキZ (R)および含有成分である甘草に陽性所見を認めたことにより,甘草によるアナフィラキシーと診断した.甘草の主化合物であるグリチルリチンに対するスクラッチテストは陰性であり,甘草に含まれるグリチルリチン以外の化合物によるアナフィラキシーであると考えられた.甘草の薬疹の報告は,自験例を含めても本邦で3例しか認められず,まれと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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