文献詳細
症例報告
頭蓋骨にまで浸潤したbasosquamous cell carcinomaの1例
著者: 王生淳子1 北野十喜一1 玉田康彦1 松本義也1 原一夫2
所属機関: 1愛知医科大学皮膚科 2愛知医科大学附属病院病理部
ページ範囲:P.301 - P.303
文献概要
59歳,男性.初診の2年ほど前より左側頭部に潰瘍が出現.近医より有棘細胞癌(SCC)を疑われ,当院に紹介された.左側頭部に直径10×14cmの巨大潰瘍がみられ,CT,MRIにて頭蓋骨への浸潤が認められた.病理組織像では基底細胞癌(BCC)と有棘細胞癌様の細胞(squamoid cell)が連続して認められたことから,basosquamous cell carcinoma (BSCC)と診断した.BSCCはBCCの亜系として認識されているが,通常のBCCより臨床的悪性度が高いとされているため,長期的な経過観察が必要と考えられた.
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