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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻3号

2005年03月発行

文献概要

症例報告

左上眼瞼に生じたMALT lymphomaの1例

著者: 井上禎規1 宮本亨1 奥山典秀2 河原祥朗3 高田晋一4

所属機関: 1津山中央病院皮膚科 2津山中央病院形成外科 3津山中央病院内科 4津山中央病院病理部

ページ範囲:P.307 - P.309

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要約

 74歳,男性.左上眼瞼に皮下結節が生じ,2000年3月に当科を受診した.良性腫瘍を考えて経過観察していたが,結節が大きくなるため,2001年4月に切除術を施行した.組織学的所見では,胚中心様構造を有する濾胞を認め,その濾胞は中型で類円形の核を持つ腫瘍細胞よりなっていた.免疫組織化学的所見では,CD79a陽性,CD3陰性,CD5陰性,CD10陰性,cyclin D1陰性であった.組織学的にMALT lymphomaと診断した.その後,加療予定であったが,2年間,患者が来院せず2003年4月に再診した.左上眼瞼に再発した結節を認めたが,他部位には明らかな転移は生じていなかった.眼球近傍であることから全摘出は困難と考えて,放射線と抗癌剤にて加療し略治した.MALT lymphomaは低悪性度のリンパ腫とされるが,眼瞼近傍に生じた場合は機能的予後の面から初期治療が特に重要であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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