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足底に生じたBowen病―東海大学医学部付属病院皮膚科におけるBowen病の集計
著者: 平林香1 梅澤慶紀1 松山孝1 小澤明1
所属機関: 1東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
ページ範囲:P.319 - P.322
文献購入ページに移動49歳,女性.約5年前から左足底の皮疹に気付き,徐々に拡大したため近医を受診した.足白癬と診断され加療したが改善せず,当科を受診した.鱗屑のKOH真菌検鏡で真菌を認めず,接触皮膚炎を考え治療したが,軽度に改善しただけであった.再診時,皮疹は境界明瞭な不整形の角化を伴う紅斑性局面であることからBowen病を疑い,皮膚生検を施行し,同症と診断した.これを機に東海大学医学部付属病院皮膚科開設以来28年間(1975年2月~2003年12月)のBowen病129例144病変について検討を行った.このうち,足底に生じたBowen病は今回報告した1例のみであった.そこで,本邦報告例について調べたところ,足底に生じたBowen病は自験例を含め11例で,このうち単発で足底に生じた症例は3例のみであった.したがって,足底に単発したBowen病はまれと思われた.
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