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今月の症例
氷酢酸による化学熱傷の1例
著者: 河野吉成1 中野あおい1 鳴海博美1 市川司郎2
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構弘前病院皮膚科 2市川整形外科クリニック
ページ範囲:P.350 - P.353
文献購入ページに移動74歳,男性.右膝関節痛の鎮痛目的に氷酢酸を用いて湿布し,およそ4時間後に紅斑,水疱形成を伴う第Ⅱ~Ⅲ度熱傷を生じた.徐々に黒色壊死を認め,外科的デブリードマンを施行しながら外用療法を継続し,4か月ですべての上皮化を認めた.氷酢酸は99%の酢酸を含有する腐食性の化学薬品である.鎮痛,鎮痒目的に用いられることがあるが,民間療法における誤った使用により,重篤な皮膚障害を引き起こしうる.不適切な民間療法について,正しい知識の啓蒙が必要であると思われた.
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