icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

今月の症例

クリオグロブリン血症を伴う多発性骨髄腫にみられた顔面の毛包性小突起と四肢の多発性小潰瘍の1例

著者: 太田智秋1 古田一朗2

所属機関: 1新宮市立医療センター皮膚科 2新宮市立医療センター内科

ページ範囲:P.354 - P.357

文献購入ページに移動
要約

 82歳,男性.顔面,四肢に発生した毛包性小突起と多発性小潰瘍を合併するIgG-κ型多発性骨髄腫stageⅢと診断され,クリオグロブリン血症を伴っていた.組織学的に,顔面の皮疹は毛包開口部に一致し,表皮上層から顆粒層,さらに角層にかけて,細胞間隙に好酸性物質の沈着を多量に認めた.角層は錯角化を伴い,好酸性物質の沈着と相俟って見かけ上著しく肥厚していた.四肢の皮疹にも同様の好酸性物質の沈着が認められ,免疫組織化学的にこの好酸性物質はIgGとκ鎖に陽性を示し,患者血清中の異常蛋白と同一の物質と考えられた.本症は多発性骨髄腫のまれな皮膚症状として知っておくべき重要なデルマドロームである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら