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症例報告
両下腿に広範囲の難治性潰瘍を生じた結節性多発動脈炎の1例
著者: 森田有紀子1 榊原章浩1 富田靖1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学教室
ページ範囲:P.366 - P.368
文献購入ページに移動73歳,男性.1997年より下腿潰瘍が出現し,他院にてうっ滞性皮膚炎として加療されていた.難治のため2001年5月,当院を紹介され受診した.両大腿に分枝鎖状網状皮斑,両下腿に辺縁隆起性の穿掘性潰瘍を広範囲に認めた.MPO-ANCA,PR3-ANCAは陰性.下肢動脈造影で動脈瘤,閉塞は認めなかった.潰瘍辺縁の組織では,真皮深部から皮下組織にかけて中型動脈周囲に強い好中球を主体とした炎症細胞浸潤を認め,結節性多発動脈炎と診断した.プレドニゾロン(PSL)30mg内服とbFGF製剤噴霧,局所外用療法により潰瘍は上皮化した.
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