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症例報告
Nocardia brasiliensisによる菌腫の1例
著者: 佐藤友隆1 森本亜玲1 松尾聿朗1 足立真2 渡辺晋一3 三上襄4 長谷川太一5 加納塁5 長谷川篤彦5
所属機関: 1帝京大学医学部附属市原病院皮膚科学教室 2関東労災病院皮膚科 3帝京大学医学部皮膚科学教室 4千葉大学真菌医学研究センター 5日本大学生物資源科学部獣医臨床病理学教室
ページ範囲:P.382 - P.385
文献購入ページに移動27歳,男性.1991年,千葉市内でオートバイで転倒し,右膝周囲の挫創に対して縫合を受け,瘢痕治癒していた.1998年頃より右膝周囲に腫脹および排膿を認めるようになり,抗生物質の内服,点滴で約3年間加療されていたが軽快しないため,2001年12月11日,当科を受診した.右膝周囲に皮下硬結,びらん,潰瘍,痂皮と一部瘻孔形成を認め,初診時,2002年3月,同年10月と3回の皮膚生検,培養を施行し,3度目に菌の分離培養に成功した.病理組織像は組織内顆粒を認める非特異的化膿性肉芽腫であった.菌のribosomal 16Sの塩基配列からNocardia brasiliensisと同定した.薬剤感受性からバクタ(R)の内服を選択し,温熱療法を併用したところ瘢痕治癒した.
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