文献詳細
文献概要
症例報告
スポロトリコーシスの3例
著者: 福田英嗣1 村川世津子1 斉藤隆三1
所属機関: 1東邦大学医学部第二皮膚科学教室
ページ範囲:P.386 - P.389
文献購入ページに移動東京の都心部でのスポロトリコーシスの3症例を経験した.症例1:84歳,女性.左前腕.症例2:71歳,男性.右第3指.症例3:45歳,女性.左上腕.病理組織学的所見は,全例肉芽腫性炎症像を呈し,症例1は真菌検査にてSporothrix schenckiiが同定された.症例2,3は培養未施行あるいは失敗した例であるが,病理組織学的所見にてPAS染色陽性の真菌要素(遊離胞子)を認め,臨床症状および治療経過よりスポロトリコーシスと診断した.病型は3症例とも固定型であった.治療としては,症例1は塩酸テルビナフィン125mg/日を32週間,症例2はイトラコナゾール100mg/日を12週間内服し,症例3は全摘出後,温熱療法のみで略治した.
掲載誌情報