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症例報告
Acquired reactive perforating collagenosis
著者: 中田珠美1 小出まさよ1 田北貴子2
所属機関: 1浜松赤十字病院皮膚科 2丸山病院内科
ページ範囲:P.397 - P.399
文献購入ページに移動63歳,男性.糖尿病,慢性腎不全.62歳で血液透析導入,その頃からせつ痒を伴う角化性丘疹が出現し始めた.潰瘍を形成し,黒色痂皮を固着した赤褐色の丘疹,結節が体幹,両下肢に多発していた.毛孔一致性はなく,ケブネル現象を認めたこと,また病理組織学的に表皮の杯状の欠損,膠原線維の変性とその経表皮性排出像を認めたことよりacquired reactive perforating collagenosis(ARPC)と診断した.本症例は大型の結節と二次感染による強い紅斑が特徴的で,ステロイド軟膏とナジフロキサシン外用薬で治療した.日々異常なまでの蚤破を続けたこと,二次感染による紅斑が目立ち,抗菌薬の外用が有効だったことから,蚤破や細菌感染など外的な刺激がARPC発症と結節の大型化に影響したと考えた.
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