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症例報告
隆鼻術のプロテーゼによる皮膚潰瘍の1例
著者: 大沢真澄1 戸田淳1 梅本尚可1 横倉英人1 出光俊郎1 阿部弘一2
所属機関: 1自治医科大学附属大宮医療センター皮膚科 2自治医科大学附属大宮医療センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.407 - P.409
文献購入ページに移動73歳,女性.初診の約4か月前に右鼻根部の腫脹を自覚した.近医で加療したが改善しないため,当科を紹介された.初診時,鼻根部左側に周囲に発赤を伴う直径3mm大の潰瘍があり,潰瘍底に異物を認めた.異物の挿入について患者に質問したところ,50歳頃に隆鼻術を行ったの既往が明らかになった.副鼻腔CT所見で鼻根部左側の皮膚欠損と,鼻尖部から鼻根部の正中よりもやや左側に偏位した位置に三日月型の異物を認めた.隆鼻術に使用した人工補填物(プロテーゼ)による皮膚潰瘍と考え,皮膚潰瘍を含めプロテーゼの除去術を施行した.隆鼻術の既往を周囲の人に隠す患者も多く,診断,治療が遅れることがしばしばある.鼻周囲の発赤,腫脹,潰瘍をみた場合は異物の挿入も念頭におく必要がある.
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