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症例報告
左上肢のin-transit転移に対してsubtotal integumentectomyを施行した悪性黒色腫の1例
著者: 赤坂玲1 石橋睦子1 上田周1 水嶋淳一1 林伸和1 川島眞1 磯野伸雄2 井砂司2
所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学形成外科学教室
ページ範囲:P.429 - P.431
文献購入ページに移動53歳,男性.左上肢に結節が多発したため近医でその一部を切除したところ,悪性黒色腫と診断され当科を紹介された.初診時,左示指中節指節骨関節背に弾性硬,青色の皮下結節があり,手背から上腕に小指頭大までの皮下結節が列序性に多発していた.悪性黒色腫のin-transit転移と診断し,subtotal integumentectomyを施行した.上肢のin-transit転移に対し,本術式を用いた例はこれまでに報告はない.自験例は,現在までのところ再発,転移は認めず,また上肢を温存したことでQOLを維持することができた.今後検討すべき術式の1つと考えた.
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