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治療
LDLアフェレーシスが有効であったコレステロール結晶塞栓症の1例
著者: 山口由衣1 小松平1 伊藤陽子2 常田康夫2
所属機関: 1藤沢市民病院皮膚科 2藤沢市民病院腎臓内科
ページ範囲:P.445 - P.447
文献購入ページに移動61歳,男性.15年前より糖尿病,高血圧,2年前に心筋梗塞の既往あり.心臓カテーテル検査の2か月後より徐々に血清クレアチニン値が上昇,その1か月後より両足趾の疼痛を伴う暗紫紅色斑が出現し徐々に増悪した.血液検査所見では高度の腎障害のほかに好酸球増多,CRP陽性,血沈亢進を認めた.足趾の皮膚生検でコレステロール結晶塞栓症(CCE)と診断.腎不全に対する血液透析に加えて,LDLアフェレーシス(LDL-A)を開始し,数日で両足趾の皮膚症状および疼痛の改善を認めた.その後,プレドニゾロン15mg/日の内服を加えた.維持透析は免れない状態であるが,自覚症状は改善した.CCEの最も多い合併症の1つであるblue toe syndromeに対してLDL-Aは有効な治療法であると思われた.
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