icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

治療

尋常性乾癬治療における高濃度活性型ビタミンD3外用薬の位置付け―マキサカルシトール25μg/g軟膏と酪酸プロピオン酸ベタメタゾン0.5mg/g軟膏との左右比較オープン試験

著者: 根本治1 赤坂俊英2 菅井順一3 大槻マミ太郎3 岸本恵美4 江藤隆史4 梅澤慶紀5 小澤明5 磯田憲一6 水谷仁6 中山樹一郎7 中川秀己8

所属機関: 1札幌皮膚科クリニック 2岩手医科大学皮膚科 3自治医科大学皮膚科 4東京逓信病院皮膚科 5東海大学医学部医学科専門診療学系 6三重大学医学部皮膚科 7福岡大学医学部皮膚科 8東京慈恵会医科大学皮膚科

ページ範囲:P.448 - P.452

文献購入ページに移動
要約

 マキサカルシトール軟膏研究会では,7施設にて尋常性乾癬患者35例を対象としたマキサカルシトール軟膏(M群)とvery strongクラスのステロイド外用薬に分類される酪酸プロピオン酸ベタメタゾン軟膏(P群)を1日2回,8週間塗布する左右比較試験を行った.①紅斑,浸潤・肥厚,鱗屑を評価した皮膚症状別評価では,2週後と4週後の紅斑,鱗屑,4週後の浸潤・肥厚にてP群が有意に優った.2週後の浸潤・肥厚と6週後,8週後のいずれの皮膚症状においても差は認められなかった.②中等度改善以上の改善率は,2週後M群39%,P群70%,4週後M群63%,P群83%,6週後M群75%,P群81%,8週後M群89%,P群89%であり,2週後,4週後ではP群が有意に優ったが,6週後,8週後では差は認められなかった.③改善度の左右優劣比較は,2週後,4週後ではP群が有意に優ったが,6週後,8週後では差は認められなかった.④局所性副作用の「そう痒感」がM群に2/35例認められた.全身性の副作用は認められなかった.⑤有用度の評価では,有用以上がM群85%,P群85%であり,有用度の左右優劣比較も併せ差は認められなかった.これらの点より,マキサカルシトール軟膏は,1日2回8週間の使用において,酪酸プロピオン酸ベタメタゾン軟膏と有効性に差が認められず,有用性の高い薬剤であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら