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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻5号

2005年04月発行

特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005

1. 最近話題の皮膚疾患

肝斑と後天性両側性太田母斑様色素斑との臨床的鑑別

著者: 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.23 - P.27

文献概要

要約

 後天性両側性太田母斑様色素斑は中年以降に両側性に生ずる太田母斑の一型であるが,しばしば肝斑と誤診されている.肝斑は額,眼窩下部から頬骨にかけて,そして口囲周囲に好発するが,下眼瞼や上眼瞼を侵すことはない.また肝斑は紫外線曝露によって増悪し,紫外線を避けるだけで,ある程度の改善がみられる.しかし,太田母斑は紫外線の影響をあまり受けない.肝斑の色素斑の大きさ,濃さはさまざまであるが,境界は鮮明な両側性のびまん性,均一の褐色調地図状色素斑で,点状色素斑はみられない.したがって,肝斑に似ていても眼瞼に色素斑がある場合や,色素斑が青紫色調を呈する場合,点状の色素斑を混じている場合は太田母斑を考える.鑑別が困難な場合は皮膚生検を行うが,眼瞼部のパンチ生検ではほとんど傷跡は残らない.または皮疹の一部をQスイッチ・レーザーで治療して,効果がなければ肝斑と考える.また,ハイドロキノンの外用で改善がみられれば肝斑である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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