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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻5号

2005年04月発行

特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005

2. 皮膚疾患の病態

かゆみのメカニズムの新しい考え方

著者: 生駒晃彦1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.44 - P.48

文献概要

要約

 痛みと異なるかゆみの伝達経路の存在が明らかにされたことで,かゆみのメカニズムの理解は大きく前進した.しかし,それはヒスタミンによるかゆみの伝達経路であり,すべてのかゆみを説明できるものではない.最近の電気刺激によるかゆみ誘発法を用いた研究では,新たなかゆみの神経の存在が示唆されている.さらに,病態のかゆみを理解するうえではかゆみ過敏の理解も必要である.かゆみ過敏状態では通常かゆみを生じないようなさまざまな刺激がかゆみを生じてしまう.かゆみを抑制するはずの痛み刺激までもがかゆみを生じる.その結果,アトピー性皮膚炎患者でもよくみられるitch-scratchの悪循環が発生する.かゆみ過敏状態ではさまざまな炎症性メディエーターがかゆみを生じうるので,炎症そのものを抑制しない限りかゆみを抑えることはできない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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