文献詳細
特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005
3. 新しい検査法と診断法
外陰部Paget病におけるセンチネルリンパ節生検
著者: 清原祥夫1 吉川周佐1 藤原規広1 大塚正樹1 石田彩2 中川雅裕2
所属機関: 1静岡がんセンター皮膚科 2静岡がんセンター形成外科
ページ範囲:P.71 - P.74
文献概要
外陰部Paget病における予後因子として,リンパ節転移の有無はもっとも重要なものの一つである.進行期の本症に対する確立した有効な治療がない現状では,リンパ節転移をいかに早期に診断し,根治的手術をするかが治療上のポイントとなる.また本症が高齢者に好発することや発生部位の解剖学的理由から低侵襲で確実なリンパ節転移の診断(N診断)が必要とされる.一方,本症におけるセンチネルリンパ節生検の意義については,いまだ確立されたものではないが,筆者らは25例の外陰部Paget病に対し,センチネルリンパ節生検を試みたところセンチネルリンパ節の同定率,正診率ともに高く,メラノーマの場合と同様にN診断やリンパ節郭清の適応条件として非常に有用であると思われた.今後,外陰部Paget病の治療指針において,センチネルリンパ節生検は積極的に検討されるべきものと考える.
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