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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻5号

2005年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005 4. 皮膚疾患治療のポイント

シリコンゲルシートによるケロイドの治療

著者: 江石久美子1 清水和宏2 片山一朗3

所属機関: 1道ノ尾病院皮膚科 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚病態学分野 3大阪大学大学院医学系研究科分子病態医学皮膚科学講座

ページ範囲:P.123 - P.127

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要約

 シリコンゲルシートによる密閉療法は簡便で副作用も少ないために,肥厚性瘢痕・ケロイドの治療法として多くの臨床報告がされている.今回,ケロイドに対してシリコンゲルシート(シカケア (R))を貼布し,疼痛,そう痒感,ケロイドの隆起,赤色調を4週ごとに24週観察した.また治療前後の組織を採取し,肥満細胞数の変化とFas抗原を比較検討した.自覚症状である疼痛とそう痒感は治療開始後早期に改善し,12週後には消失した.ケロイドの隆起と色調の改善には12週以上を要した.治療開始24週後の組織肥満細胞数は有意に減少していた.線維芽細胞のFas抗原発現は増強していた.シリコンゲルシートによるケロイド治療は安全性が高く,特に疼痛やそう痒に有効な治療と考え,積極的に試みる治療の1つであると考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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