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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻5号

2005年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005 5. 皮膚科医のための臨床トピックス

アミノ酸調整粉末単独哺育に起因するビオチン欠乏症

著者: 藤本亘1

所属機関: 1川崎医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.142 - P.144

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要約

 ミルクアレルギーや大豆・卵など蛋白質不耐症の患児の養育に使用されるアミノ酸調整粉末中には,従来,ビオチンがほとんど含まれていなかったため,患児が調整粉末単独で哺育された場合にビオチン欠乏症を発症した例が報告されている.ビオチン欠乏症に特徴的な皮膚症状は難治性の開口部皮膚炎と頭部の脱毛であり,亜鉛欠乏症との鑑別を要する.乳幼児の眼瞼縁および口角のびらんを伴う紅斑と会陰~襁褓部の乾癬様紅斑が難治であり,血清亜鉛値の低下が認められない場合にはビオチン欠乏症を考えなければならない.患児のビオチン欠乏状態を早期に正しく評価するためには,尿中ビオチンの低下とメチルクロトニルグリシンをはじめとする尿中有機酸の増加を証明することが重要である.本症にみられる開口部皮膚炎,脱毛などの皮膚症状は,ビオチン~1mg/日の内服により劇的に改善する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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