文献詳細
特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
文献概要
要約
近年,身のまわりの化学物質の種類の増加やオフィス,住宅における建材の変化,気密性の増強などに伴い,種々の症状を訴える人が増加し社会問題となっている.これらの病態に対して化学物質過敏症(multiple chemical sensitivity;MCS)という概念が提唱され,基礎および臨床面からその対応が迫られている.MCSの最大の原因物質としてホルムアルデヒド(FA)が問題視されているが1),本稿では多量の新製品パーソナルコンピュータ(PC)を設置した室内で新たにアレルギー様症状を呈した1例を提示する.そして,FA室内濃度の測定結果を踏まえ,PCから排出されたFAと関係すると考えられたため,新たにPCアレルギーという概念を提唱するとともに,今後FAも含めMCSのさらなる解明とPCを含めた環境基準の設定を期待する.
近年,身のまわりの化学物質の種類の増加やオフィス,住宅における建材の変化,気密性の増強などに伴い,種々の症状を訴える人が増加し社会問題となっている.これらの病態に対して化学物質過敏症(multiple chemical sensitivity;MCS)という概念が提唱され,基礎および臨床面からその対応が迫られている.MCSの最大の原因物質としてホルムアルデヒド(FA)が問題視されているが1),本稿では多量の新製品パーソナルコンピュータ(PC)を設置した室内で新たにアレルギー様症状を呈した1例を提示する.そして,FA室内濃度の測定結果を踏まえ,PCから排出されたFAと関係すると考えられたため,新たにPCアレルギーという概念を提唱するとともに,今後FAも含めMCSのさらなる解明とPCを含めた環境基準の設定を期待する.
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