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特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005 5. 皮膚科医のための臨床トピックス
疫学調査に基づく皮膚癌予防にいい食品
著者: 尾藤利憲1 市橋正光1 神保孝一2 金子史男3 斎田俊明4 大塚藤男5 石川治6 瀬戸山充7 神崎保8
所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科皮膚科 2札幌医科大学皮膚科学教室 3福島県立医科大学皮膚科学教室 4信州大学医学部皮膚科 5筑波大学臨床医学系皮膚科 6群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学 7宮崎大学医学部皮膚科学教室 8鹿児島大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学教室
ページ範囲:P.152 - P.154
文献購入ページに移動全国8大学(札幌医科大学,福島県立医科大学,群馬大学,筑波大学,信州大学,神戸大学,宮崎大学,鹿児島大学)の皮膚科受診患者を対象に皮膚癌症例と対照例(皮膚癌以外の患者)で症例対照研究を実施し,皮膚癌の予防となりうる食品を探策した.コーヒー,紅茶,緑茶,βカロチン,ニンニク,ビタミンCやEなどが検討され,紅茶を毎日習慣的に飲む人,ビタミンCとEを両方摂取する人が,皮膚癌群に比較して対照群で有意に多く,それぞれの皮膚癌への相対危険度は0.69,0.36であった.本邦における皮膚癌の予防食品を疫学的に調査した報告はほとんどみられず,今回の結果は癌予防を考えた食生活をするうえで参考となると思われた.
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