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特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005 5. 皮膚科医のための臨床トピックス
男性がん患者における婚姻によるサポートの欠如と,否定的な心理反応
著者: 谷口幸司13 明智龍男2 鈴木志麻子2 三原基之13 内富庸介2
所属機関: 1鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野 2国立がんセンター研究所支所精神腫瘍学研究部 3鳥取県病院局
ページ範囲:P.156 - P.158
文献購入ページに移動配偶者の存在および配偶者のサポートの認識が,精神的苦痛とがんへのコーピングに及ぼす影響について,国立がんセンター東病院外来に通院中の男性272名,女性252名のがん患者を対象に,構造化面接およびProfile of Mood States(POMS)とMental Adjustment to Cancer Scale(MAC)の2つの自記式質問票により横断的に評価した.配偶者がいない男性患者では,配偶者がいる患者に比して,精神的苦痛が有意に高く(p=0.006),前向きなコーピングの程度が有意に低かった(p=0.000).また配偶者のサポートを認識していない男性がん患者では,認識している患者に比して,前向きなコーピングの程度が有意に低かった(p=0.009).しかし,女性の患者では,配偶者の有無,配偶者のサポートを認識しているか否かは,精神的苦痛やコーピングに影響しなかった.
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