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症例報告
BCG接種後に生じた壊疽性丘疹状結核疹の1例
著者: 山本純照1 宮川幸子2
所属機関: 1市立松原病院皮膚科 2奈良県立医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.484 - P.486
文献購入ページに移動6か月,女児.2003年7月14日にツベルクリン反応を施行され,陰性のため7月16日にBCGを接種された.8月15日頃から接種部位に発赤,腫脹が生じ,以後四肢伸側,下顎部にも頂点に膿疱を伴う紅色丘疹が多発した.右上腕の褐色痂皮を伴う紅色丘疹から生検し,表皮から真皮上層の楔状の変性壊死,真皮中層の乾酪壊死およびLanghans型巨細胞を認めた.Ziehl-Neelsen染色では好酸菌は陰性であった.また,生検した組織を用いた培養検査では結核菌の発育は認めず,PCR法による結核菌DNAの検出も行ったが陰性であった.ツベルクリン反応は10×12/17×19と陽性であった.以上より自験例をBCG接種後に生じた壊疽性丘疹状結核疹と診断し,投薬せずに経過を観察した.初診から約6週間で軽度の瘢痕を残して治癒した.
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