文献詳細
症例報告
持久性隆起性紅斑の1例
著者: 堀和彦1 浦野和民2 上出良一1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2足立中央クリニック皮膚科
ページ範囲:P.500 - P.502
文献概要
48歳,男性.初診の1年前より四肢伸側,臀部に自覚症状のない紅斑が出現し徐々に拡大した.近医でステロイド内服,外用にて治療されたが,寛解と増悪を繰り返していた.初診時,臀部,下腿に自覚症状のない浸潤を触れる融合性の紅斑,出血性の局面を認め,色素沈着,血疱も混在していた.また,肘頭,膝蓋にこうい浸潤を触れる局面があり,一部結節を認めた.関節症状,眼症状などはなかった.病理組織像にて真皮乳頭層に高度の浮腫,真皮全層にわたる核破壊を伴った好中球の浸潤,赤血球の血管外漏出を認めた.蛍光抗体直接法は陰性であった.持久性隆起性紅斑と診断し,diaminodiphenyl sulfone(DDS)75mg/日より開始し,皮疹は著明に改善した.
掲載誌情報