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症例報告
小児腹壁遠心性脂肪萎縮症の1例
著者: 松本万里絵1 永井弥生1 遠藤雪恵1 大西一徳1 石川治1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻環境病態制御系生態防御機構学皮膚病態学
ページ範囲:P.509 - P.511
文献購入ページに移動24歳,女性.生後間もない頃より右臀部に陥凹病変があり,9歳頃まで拡大した.以後変化がなかったが,初診5か月前よりひきつれる感じを自覚し,当科を受診した.初診時,右臀部から大腿に境界明瞭な皮膚の陥凹を伴う淡紅色斑があり,陥凹部の生検組織像では脂肪小葉の萎縮,減少がみられた.無治療で経過観察中である.本症は通常小児期に発症し,成人までには軽快,治癒する疾患である.自験例が成人期になって自覚症状を生じた原因は不明であるが,組織学的にも炎症細胞浸潤はみられず,進行は停止した状態であり,非可逆的な病変を残したと思われた.本邦報告例について,文献的考察を加え報告した.
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