icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻6号

2005年05月発行

文献概要

症例報告

小児腹壁遠心性脂肪萎縮症の1例

著者: 松本万里絵1 永井弥生1 遠藤雪恵1 大西一徳1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻環境病態制御系生態防御機構学皮膚病態学

ページ範囲:P.509 - P.511

文献購入ページに移動
要約

 24歳,女性.生後間もない頃より右臀部に陥凹病変があり,9歳頃まで拡大した.以後変化がなかったが,初診5か月前よりひきつれる感じを自覚し,当科を受診した.初診時,右臀部から大腿に境界明瞭な皮膚の陥凹を伴う淡紅色斑があり,陥凹部の生検組織像では脂肪小葉の萎縮,減少がみられた.無治療で経過観察中である.本症は通常小児期に発症し,成人までには軽快,治癒する疾患である.自験例が成人期になって自覚症状を生じた原因は不明であるが,組織学的にも炎症細胞浸潤はみられず,進行は停止した状態であり,非可逆的な病変を残したと思われた.本邦報告例について,文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?