文献詳細
症例報告
34歳時に発症した基底細胞癌の1例―若年発症例の検討
著者: 吉田隆洋1 大塚勤1 鶴見純也1 鈴木利宏1 籏持淳1 山﨑雙次1 斉藤浩1
所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.525 - P.527
文献概要
38歳,女性,主婦.21歳から9年間,屋外勤務の多い保育士として勤務していた.初診の4年前より,左鼻翼部に直径約2mmの自覚症状のない黒色斑に気づいたが放置していた.以後徐々に増大したため近医を受診,当科を紹介された.臨床的に基底細胞癌を疑い,組織学的所見により基底細胞癌と診断した.基底細胞癌の発生母地となる遺伝性あるいは先天性疾患はなかった.治療として拡大切除術を行った.術後3か月の現在,再発は認めていない.当科における過去10年間の症例と,過去の報告例をもとに,基底細胞癌の発症年齢と発生部位について検討した.その結果,40歳未満での発症が比較的まれであること,発症年齢にかかわらず顔面への発生が多いことがわかった.
掲載誌情報