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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻6号

2005年05月発行

治療

天疱瘡の口腔粘膜病変に対するシクロスポリン内用液による含嗽の有効性

著者: 越後岳士1 稲沖真1 竹原和彦1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科循環医科学専攻血管分子化学講座皮膚科学

ページ範囲:P.568 - P.572

文献概要

要約

 症例1:58歳,女性.胸腺腫を合併した腫瘍随伴性天疱瘡.口腔粘膜病変はプレドニゾロン内服に抵抗性で,胸腺腫に対する化学療法により肺炎を併発していたため,シクロスポリン内用液(cyclosporine oral solution:CyA-OS)による含嗽を併用し粘膜病変は改善した.症例2:70歳,男性.マントル細胞リンパ腫(MCL)を合併した尋常性天疱瘡.MCLに対するrituximab-CHOP療法と皮膚・粘膜へのステロイド外用にていったん改善していたが,MCLの治療中,口腔粘膜病変が再燃したため,CyA-OSによる含嗽を行い改善した.天疱瘡の口腔粘膜病変の治療において,高齢者や感染症の合併など全身的な免疫抑制療法の強化が困難な症例に対して,CyA-OSによる含嗽療法は極めて有用な治療法であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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