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文献概要
症例報告
皮膚リンパ管型Mycobacterium marinum感染症の1例
著者: 早田名保美1 山田裕道1
所属機関: 1国際親善総合病院皮膚科
ページ範囲:P.604 - P.606
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65歳,女性.約2か月前に左手拇指基部の擦過傷に気づいた.数週間後同部位が徐々に隆起して結節を形成し,その後同様な結節が上行性に数個出現した.2年前より熱帯魚を飼育しており,素手でよく掃除をしていたという.組織所見では類上皮細胞性の肉芽腫変化を認めた.結節より得た膿汁を小川培地(27℃)にて培養したところ,4週間後に表面平滑で黄色調のコロニーを認め,DNA-DNA hybridization法にてMycobacterium marinumと同定し,手指の何らかの外傷を契機に発症した皮膚リンパ管型M. marinum感染症と診断した.ミノサイクリン内服3か月にて結節は消退した.なお,患者が飼育している熱帯魚の水槽水からはM. fortuitumが検出された.
65歳,女性.約2か月前に左手拇指基部の擦過傷に気づいた.数週間後同部位が徐々に隆起して結節を形成し,その後同様な結節が上行性に数個出現した.2年前より熱帯魚を飼育しており,素手でよく掃除をしていたという.組織所見では類上皮細胞性の肉芽腫変化を認めた.結節より得た膿汁を小川培地(27℃)にて培養したところ,4週間後に表面平滑で黄色調のコロニーを認め,DNA-DNA hybridization法にてMycobacterium marinumと同定し,手指の何らかの外傷を契機に発症した皮膚リンパ管型M. marinum感染症と診断した.ミノサイクリン内服3か月にて結節は消退した.なお,患者が飼育している熱帯魚の水槽水からはM. fortuitumが検出された.
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